歴史楽者のひとりごと

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品川湊の風景ー1 天妙国寺

 鈴木道胤の手がける商売は多岐にわたっていました。海運業を手始めに、倉庫業貸金業などを営み莫大な利益をあげていたのです。
 道胤などの大商人は、獲得した富を盛んに寺社に寄進しました。このような人々を有徳人と呼びます。彼らは商売繁盛と海上交通安全を祈願して寺社へ寄進したのです。
 南品川に現存する天妙国寺は鈴木道胤が熱心に寄進した寺院として今に伝わっています。品川歴史観が所蔵する「紙本着色妙国寺絵図」は本殿や五重の塔など七道伽藍とともに門前の賑わいが描かれ、往時の妙国寺の繁栄を今に伝えています。
 妙国寺の壮麗な伽藍は慶長十七年(1614年)に起きた大風で倒壊し、その他の建物も元禄十四年(1702年)の大火で焼け落ちてしまった。現在は天妙国寺の境内に残る三つの柱石が往時の面影を忍ばせています。